ネット販売

10年以上前、数店舗経営していた文房具会社で、永年弊社の販売管理システムを使用している客先を本日訪問した。
社長の英断で店を順次閉鎖し、アスクルにシフトしていった。
当初は、一生懸命開拓した顧客を上納するみたいで、何のため苦労してきたかとぼやいていたが、現在は顧客数6,000件と当時より何倍も増え、店を開けてなくても注文入る仕組みができたと喜んでいる。
「開拓」「回収」「督促」のルーチンワークを5人でこなし、5%が入金遅れ、0.1%が回収不能と意外と少ないと思ったが、それでも100万円以上はあるだろう。

本業の文房具の業態を切り換え、軌道に乗り始めた頃の1999年に「高級万年筆」に絞って楽天ショップに出店した。
楽天も当時は1,000店位だったが、現在は24,000店と前年比123%の全体売上と、3年前の170%からみたら伸び率は下がったが依然として好調である。
月に売上×4%+5万円のコストがかかるが、月商1,200万円を4人で運営している。
ここまでくるのが大変で、月商100万円まで3年間社長一人で半日かけてサイト更新、デリバリ、フォロー等をしていた。
専任一人置くには、月商100万円以下なら赤字、200万円ないと難しいという。
ちなみに月商1,000万円達成店は8%、3,000万円達成店は2%、1億円達成店は0.2%で、今後は携帯からのモバイル注文が増えつつあるらしい。
自社のHPも立ち上げているが、そこからの注文は楽天の10%位しかない。
あるサイトで「万年筆」と入力したら自社HPが表示されるのに年間40万円もかけてはいるのだが・・
楽天に登録している商品数は3,782点、メルマガも2万人集め、3日に1回のペースでキャンペーンや新商品案内を流している。
メルマガのアドレスは購入者以外ではプレゼント応募者から集めている。
楽天の機能で色々手を打ってきた、今から新規参入は難しいが、確実にネット販売は有望であるという。
競争が激しくなるだけでなく、サイトの工夫・企画がいいものでないと受注に繋がらない、ノウハウをためるのに時間がかかる。

自分自身も卸売りしてた頃は倉庫に商品並べていたら良かったが、小売しだすと、店先に商品の並べ方や、提案技術、季節感のある企画等が必要ということがわかったと言う。
消費者は今何が売れているか、それを紹介してくれる安心感を小売業者に求めている。

今では、年間15,000件の注文履歴を「大繁盛bb21」で月5,000円で管理、メール仕分・検索をメールサポートシステムで月2万円で管理している。
受注件数が多くなったからある程度のコストをかけても有効なのだろう。

町の文房具屋が変革しなかったら時代に取り残されていただろう。
この社長は、消費者ローンの経営者に「私らの商売は、こうしてゴルフしてても寝てても金利が稼いでくれる」という話に刺激を受けて、がんばるだけではダメで、いかに流れをキャッチし先行して知恵と工夫で仕組みを創っていくかという事に気づき、ネット販売を決断したと言う。

今日ヒヤリングしたのも、生地のネット販売を伸ばしたいという別の得意先にとって、何かヒントになる事を教えてもらおうと訪問した。
ネット販売は、先んじるが○で、こまめにコツコツと飽きないで商いする事。 やはり基本が大事、「継続は力」ということが感想である。

 

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