今年は3日間、個人の確定申告無料相談会場に税務支援に行く。 今日は2日目である。
電子申告の普及化図るために、各会場にはPCを置いてアルバイトが税理士の記入した入力補助用伝票(入力個票)をみて打ち込んでいる。
税理士に相談前に順番待ちし、入力個票もらってPCの前で順番待ちと納税者にとって半日仕事である。
いずれ、相談会場の税理士の前にPC設置で、納税者がアドバイス受けながら入力というようになっていくだろう。
9時15分朝礼で注意事項伝達、9時30分スタートで昼食休憩1時間はさんで16時終了予定だが、最後の納税者の内容によっては16時過ぎる。 今日は16時半頃だった。
隣の税理士は昼食前に煩雑な案件だったのか、13時過ぎから昼食に出かけた。
最後のお客さんが39歳の息子を持つ寡婦であった。
目の前に座ったら(必須ではないが)、事績簿に氏名を書いてもらうようにしている。
確定申告書は原則として納税者が自分で作成するものだが、高齢者や身障者で無理な人もいてるので、書く様子みて判断している。
この人も手が震えて書きづらそうで、ふと顔をみると顔も震えているので、何か病気ではあるなと思い、書いてもらうことはやめて、充分にヒヤリングして入力個票を記載し、PCコーナへ案内してアルバイトに入力してもらうようにした。
ヒヤリングの過程でどうしても家庭事情をきかなくてはいけない場合もある。
息子は2~3年前にリストラ後ハローワーク通うが職に就けず、昨年12月にストレスからか脳血栓で救急車で運ばれ入院リハビリ中。
昨年無収入なので扶養者控除、さらに医療費控除の対象となる。
若い時は警備会社に勤務していたが、休日殆ど無いので退職したが、その後転職繰り返しやっと就いた会社でリストラと失意の中の発病だったのだろう。
目前の母親は昨年震えが出た時に近所の医者に診てもらったらパーキンソン病と言われ、大きな病院で精密検査をと思った矢先に一人息子の突然の病に、自分の事はさておき看病の日々に忙殺されていたらしい。
主人とは10年以上前に死に別れ、生きがいである一人息子の看病のためか、昨年退職してこれから年金生活である。
この人の場合は特定の寡婦にあたり、35万円の所得控除となる。
ここまで神はこれでもか、これでもかと不幸の試練を与えるのかと思いながら、せめて還付税金が少しでも多くなるようにと入力個票を作成していった。
できあがって渡しながら、最後に「息子さんのためにも長生きしてリハビリに長い付き合いをしなければいけない、マラソンのように。
そのためにも早く市民病院でも言って診てもらいなさい」と声をかけた。
震える目が心なしか潤んでいた。