販売管理システムの粗利と会計の売上総利益の違い

アップロードファイル 105-1.xls

↑【販売管理と会計の粗利計算】:損益計算書と販売管理システム出力資料との連携を説明

販売管理システムと会計連動している顧客から、「販売管理システム上の粗利と損益計算書(P/L)の売上総利益が合わない、何故か」という質問がよくある。
売上も仕入も一致し、在庫も販売管理で出力される商品在庫一覧表の残高金額合計を商品/期末棚卸高で仕訳入力している。
しかし、販売管理システムから出力される担当者・得意先や商品別売上分析表の粗利益合計が会計ソフトから出力されるP/Lの売上総利益と合わない。
会計上は、売上-売上原価=売上総利益(粗利)、売上原価=期首在庫+仕入-期末在庫で計算される。
売上原価の算出項目は販売管理のデータからとっているので一致しなければおかしいと思うのだろう。
販売管理システムの売上分析表の粗利は、売上伝票単位の粗利を集計している。
したがって売上原価が入力時に都度計算されているので、その集計額は、
商品在庫一覧表の期末在庫数量に一定の原単価を乗じて残高金額を算出し、それを期首在庫と仕入を加算した金額から控除した売上原価とは異なるのである。

例えば、最終仕入原価法を採用していて、期首在庫なしの場合、
月日 伝票  数量  単価  金額  原価  粗利
① 11/05 仕入  20   50  1,000
② 11/10 売上  10  100  1,000  500  500
③ 11/15 仕入  10   70   700
④ 11/20 売上  10  200  2,000  700 1,300
合 計__________________________________________1,200__1,800__

②の売上原価は11/05の仕入単価50×売上数量10=500となる。
④の売上原価は11/15の仕入単価70×売上数量10=700となる。
売上原価計は1,200 粗利は1,800である。

期末在庫数量は11/05仕入20-11/10売上10+11/15仕入10-11/20売上10=10で、
在庫金額は11/15最終仕入単価70×在庫数量10=700である。
P/Lの売上原価は、期首0+仕入1,700-期末700=1,000となり、売上総利益は売上3,000-売上原価1,000=2,000となる。

このように、販売管理上の粗利は1,800でP/Lの売上総利益は2,000と異なるのである。

しかし、経理の人からみたらP/Lの内訳として販売管理システムの資料が整合性とれていなかったら内部統制上NGと言うお客様もいた。
そこで、販売管理パッケージ「ふくろう販売」では、商品損益一覧表を作成して、その粗利合計とP/Lの売上総利益が一致するようにした。
最終仕入法以外の移動平均原価法や標準原価法の例もあげて、P/L→商品損益一覧表→商品在庫一覧表→商品別売上明細表→商品別仕入明細表の連携を図示したのが添付EXCELである。

上記①~④の例でふくろう販売の画面で説明するとこのようになる。

 

Comments are closed.