前々回は、移動平均原価計算を採用している場合の、税込売上単価時の売上原単価計算について述べた。
今回は、最終仕入単価原価計算を採用している場合の、税込売上単価時の売上原単価計算について述べる。
最終仕入単価原価計算を採用している場合の税込売上時の売上原単価計算については、特に問題ない。
強いて注意点をあげるなら消費税率が変更になる節目の時ぐらいだろう。
例えば、2/28迄の消費税率は5%で、3/1から10%の消費税率になったと仮定する。
A.【旧税率で計算】
仕入日__仕入数量__仕入単価(税抜)__仕入金額(税抜)__消費税
11/02/12_____1____________213円______________213円____________10円_
売上日__売上数量__売上単価(税抜)__売上金額(税抜)__売上原価
11/02/14_____1____________300円______________300円____________213円_
売上日__売上数量__売上単価(税込)__売上金額(税込)__売上原価
11/02/14_____1____________315円______________315円____________223.65円_
B.【新税率で計算】
仕入日__仕入数量__仕入単価(税抜)__仕入金額(税抜)__消費税
11/03/01_____1____________202円______________202円____________20円_
売上日__売上数量__売上単価(税抜)__売上金額(税抜)__売上原価
11/03/02_____1____________300円______________300円____________202円_
売上日__売上数量__売上単価(税込)__売上金額(税込)__売上原価
11/03/02_____1____________330円______________315円____________222.2円_
C.最終仕入日が11/02/28以前であっても同様となる。
仕入日__仕入数量__仕入単価(税抜)__仕入金額(税抜)__消費税
11/02/28_____1____________202円______________202円____________20円_
売上日__売上数量__売上単価(税抜)__売上金額(税抜)__売上原価
11/03/02_____1____________300円______________300円____________202円_
売上日__売上数量__売上単価(税込)__売上金額(税込)__売上原価
11/03/02_____1____________330円______________315円____________222.2円_
上記C.のように、最終仕入日が旧税率適用期間であっても売上原単価計算では売上日の税率を適用して計算する。
その日の税抜単価202円+消費税10.1円=212.1円を売上原価とはしないということである。
消費税切替り時の税込最終仕入原単価の画面サンプルは、このようになる。
標準原価計算を採用している場合の税込売上単価時の売上原単価計算については、
商品マスターに税抜原価単価のみ持っている場合は、(1+売上日の税率)を乗じて計算すればよいが、
商品マスターに税込原価単価も持っている場合は、消費税率切替時に一括単価変更しなければいけない。
標準原価単価だけでなく標準売上単価も同様であるが、
例えば税抜売上単価が1,950円、税込売上単価は1,950円×1.05=2047.5円だが、10円未満切捨てて2,040円と登録している場合には、
内税単価2,040円(税抜単価=1,943円、税=97円)として計算する。
税率が10%になったら税込売上単価を2,040円→2,140円に変更するのである。