今年も無料税務相談担当が今日から始まった。 毎年S支部では3日間の従事割当があるが、日頃会う人とは異なる世界の人と一日接触できる機会で視野が広がり、楽しみでもある。 また、所得税の確定申告慣れにもいいし、支部は変わっても30年以上続けている。
今日も30人程の年金還付者中心に確定申告自力作成支援をしたが、2人の印象的な人に出会った。
一人は、息子が32歳でここ数年間自宅に引篭もり、相談者の妻は扶養者にしなくていいと主張、パートに行っているその妻の収入も相談者は知らないので、当該年金生活の相談者は昨年配偶者・扶養控除入れずにいくらか納税したとの事。
ヒヤリングして把握した感触では二人とも扶養控除可能と判断できたので算入、結局数万円の還付になった。
それだけならどうってことないが、なぜ息子が引篭もりなったのか訊かずにおれなくなったのでたずねると、卒業して○○○○塾にいったが、志と現実のギャップが大きかったのか絶望して帰ってきて、ずっと今の状況だという。
思わず「お父さんが亡くなったら変心するかもしれない」と言いそうになったが、「自分の足で立って歩きださなくてはいけませんヨ。 無料相談のおせっかい税理士がそういってたと言って、この還付金で妹とお父さん夫婦と本人で食事でもしたらどうですか」とかなり老弱的な相談者に声かけると涙ぐんで「ありがとうございました」と言って申告書提出に行った後姿を見て、少し胸が詰まった。
もう一人は「手が震えて字が書けない」と言いながら座った年金受給者、一瞬甘えているのかと思いながら訊くと、抗がん剤の副作用で手が痺れているという。 2年前の直腸癌から肺に転移、しかし抗がん剤が効いて小さくなっているらしい。
しかし、きれいな字で申告書は書き上げてきているので誰かに書いてもらったのかと思ったが、震えてない時に丁寧に書いたらしい。
痔かと思って病院になかなか行かず、出血ひどくなった時にいった時は手遅れだったが、今この時その時を気丈な性質で癌と向き合っている姿に感動、少し背筋を伸ばした。
青春とは人生のある期間ではなく心の持ち方をいう・・・サムエル・ウルマンの詩を思い出した。 感謝!
無料税務相談は止められない。