2014/6/1の「販売管理システムのクラウド化」で、Microsoft Azureデータセンターを利用した販売管理システム「ふくろう販売」のオンライン体験版について説明した。
その後サービスを開始するためオンプレミス用の「ふくろう販売」シリーズを修正して「ふくろう販売 on Azure」としてファーストユーザが2014/8/1から利用を開始した。
本日11/25迄の4ケ月弱で6社が稼働済み、9社が見積提示して検討中である。 導入顧客は1~4台の同時稼働ライセンスと小規模な会社が多いが、検討中の企業の中には75台同時稼働ライセンスという規模の会社もある。
オンプレミスとクラウド版の両方見積を依頼されるが、殆どの顧客はクラウド版の方に魅力を感じているようである。
また、標準販売管理・鋼材版・イベントレンタル版・建機レンタル版と業種は色々あるが、本業もレンタルで月額レンタル料金になじんでいるのか、3分の2程が建機レンタル業の顧客である。
システム会社の経営としては月額レンタルの会社数が増えれば固定収入増で安定するが、一定の会社数に達する迄は導入一時金収入がなくなるので資金繰りが大変である。
但し、クラウド対応の新サービス開始したからこそ本来ならなかった新規顧客が増えたと思えば月額レンタル料の逓増はうれしい限りである。
それも投資リスクが少ないから亀の歩みのような月額レンタル料逓増でも採算が合うので、クラウド対応に一から開発作成するようではとても合わない。
今回のサービスは、プログラムはオンプレミスの端末で、データはMicrosoft Azureのデータセンター利用のハイブリッドモデルだが、あまり手をかけずに本稼働することができた。
上記顧客はネットからの直接取引が殆どだが、販売店経由の場合は卸価格・手数料決済方法も考慮する必要がある。
具体的な修正は下記のとおりである。
Ⅰ環境的な対応
1-1 日付を世界標準から日本時間に切替、PCの環境依存となる日付年号(平成等)を西暦フォーマットに統一
1-2 自動更新の仕組み
__・新プログラムを自社サーバの共有フォルダーに置き自動更新していた仕組みを弊社のサーバからFTPで自動更新するように修正
1-3 EXCELのテンプレート・ファイル名
__・FTPの制約で日本語の2バイト文字がNGでアルファベット・数字に変換
__・マニュアルのファイル名も同様
1-4 自社サーバのUDL・txtファイルにパスワード保存をしないように修正
__・データセンター利用によるパスワード漏れ防止のため
Ⅱスピードアップ対応
2-1 伝票開く度の残高・在庫計算
__・入力プログラムで売掛残高や在庫残高をカーソル移動する度にリアル計算表示していたのを、みたい時にファンクション押下げで表示するように修正
2-2 伝票検索の改善 (うっかり絞り込まずに検索すると長時間かかる)
__・上位N件(初期表示は100)表示できるように修正
__・SQLプログラムのチューンアップ
現在のところ以上の修正対応でオンプレミスと殆ど変りない体感スピードで稼働しているが、データ量の増大とともにさらなる改善も必要となるだろう。
特にインポート・エクスポート等のバッチ処理は時間がかかり、クラウドには不向きでそのような処理が必要なら工夫しなくてはいけない。
この4ケ月間、上記15社、北は仙台、南は福岡の客先訪問で、現場の声から着実に基幹業務もファースト・クラウドの流れがきていると感じた。