生産入力と部品展開、所要量計算による在庫管理

前々回の電子部品受注生産販売会社に導入する販売管理パッケージ「ふくろう販売」ベースのカスタマイズの続きで、今回は生産入力について説明する。

製造販売している企業は生産活動が基幹業務の中に含まれ、部品や材料(以下、部材)を仕入れて製造過程を経て製品が完成し、それを販売する。
商品を仕入れて販売する商社と異なり、部材の在庫管理と製品の在庫管理が必要になる。
部材を製造着手時に出庫した時点で出庫伝票を発行し、製品完成した時点で入庫伝票を発行したら、部材の在庫減と製品の在庫増計算ができる。
細かい部材を出庫都度出庫伝票を発行するのは手間暇かかり、ついつい発行漏れが生じて部材在庫が合わなくなる。
また、製品ひとつに付き、使用部材が決まっているなら毎回複数の部材出庫伝票を発行するのも非合理的である。
そこで、中小企業の販売管理ソフトでは、生産入力という機能で製品在庫増と部材在庫減を同時に充たす入力画面を用意しているのが多い。

下記のような構成部材からなる完成品があるとする。( )内は完成品1に対する部材の構成数量。
[完成品]→[部 材]
自転車→タイヤ(2)
→サドル(1)
→ブレーキ(2)
→ハンドル(1)
タイヤ→ハブ(1)
→スポーク(6)
→リム(1)

自転車の完成時に自転車の在庫増及びタイヤ、サドル、ブレーキ、ハンドルの在庫減とし、
タイヤの完成時にタイヤの在庫増及びハブ、スポーク、リムの在庫減とするのである。

実際のサンプル画面を「弥生販売」でみてみるとこのようになる。

また、同様に「商蔵奉行i」でみてみるとこのようになる。

製品の完成時と同時に部材の在庫を引落すので、実際よりも遅く在庫減となり、生産入力する迄は、実在庫 < 帳簿在庫となる。
しかし、シンプルなので、中小企業の簡易な生産管理として市販販売管理パッケージでは、広く用いられている。

今回「ふくろう販売」の生産入力は、部材の在庫引落しと製品の完成在庫増のタイムラグをある程度正確に管理できるようにしたものである。
ポイントは、「未着手」→「生産中」→「完了」の状況を選択できるようにし、「未着手」は有効在庫に影響、「生産中」は部材の引落、「完了」は完成品の在庫増となるようにした事である。

実際のサンプル画面を「ふくろう販売」でみてみるとこのようになる。

また、中間完成品の生産入力を「ふくろう販売」でみてみるとこのようになる。

また、生産入力で受注no-行no指定してリレー生産入力もできるので、受注noの紐付きで生産原価や仕入・出庫原価の対比ができる個別原価計算にも対応している。

上記例を、「ふくろう販売」の受注no別原価表のサンプル画面でみてみるとこのようになる。

 

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